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2006年2月13日

シリーズUNTITLED

1987.jpg
 玉砂利から始まった祈りの原風景が、紆余曲折の末石板となった。石板の肌の自然のテクスチャーと、私の加えた線による造型とのコラボレーションによって表現したのがUNTITLEDシリーズの始まりだった。
写真は、このシリーズの始まりとなった、石肌と波打つ動的な線による痕跡とのコラボレーションで、アメリカで鋳造したブロンズ作品である。

作品タイトル:「untitled-1987Ⅱ」
制作年月日:1987年4月
展示場所:Extension Gallery
60 Ward Avenue Extension
Mercerville,NJ 08619
展覧会名:「HITOSHI KIMURA」
スケール:305mm x485mm
素材:シリコンブロンズ

 アメリカ滞在中、しばらくこのシリーズを行った。1987年5月、帰国する前にお世話になったジョンソンアトリエのギャラリーで、このUNTITLEDシリーズを発表した。(作品写真は近々ウエブ上にアップする予定。) 

 ミニマムな造型行為としての線。石肌は自然を象徴する。人と自然の出会い。神が生まれる背景に両者の関係がある。

 人はこの世に生まれ、やがて死を向かえる。

 地球もまた、宇宙に生まれ消滅する運命を背負っている。

 人の生のサイクルは地球のサイクルに比較すればはるかに短いが、互いに消滅に向かい進んでいることには変わらない。どちらも時間という運命のサイクルを持ち合わせている。

 人間はたまたま縁あって地上に生まれ、この地球のサイクルに身を任せている。
 今私が過ごしているこの時間は、地球という大きなサイクルと、私という小さなサイクルとの偶然の出会いが作り出したものなのだ。

 しかしこの出会いは長くは続かない。

 この出会いは宇宙の壮大な時間に比べれば瞬時であり、あっという間に消えてゆく。
 
 躍動する線を使ったのは瞬的なこの貴重な出会いを表現。
 また、勢いあるものにしたのは、位置が定まらず絶えず悩み、揺れ動く人間を表し、静的な石と対比している。

 祈りの要素がここに絡む。

 このシリーズは帰国後1995年まで続いた。

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